VAQ-136 Gauntlets (EA-6Bプラウラー)
電子妨害機 ALQ-99ポッドで30MHz-18GHzまで妨害電波を発射して
レーダー等を攪乱する航空機でキテイホーク艦載機で第136戦術電子戦飛行隊ガントレッツ部隊が
米海軍厚木基地に駐屯している
EA-6Bは4名で1名が操縦士で3名はECCM対電子戦要員です
風防は強力の電波発射から守るため銅シールドとなっている
伊豆大島や羽田や館山の航空保安無線に妨害(ジャミング)与えている模様















来歴
開発契約は1966年8月に締結された。当初は攻撃支援のためのレーダー妨害を意図したシステムであったが、まもなく地上要撃管制と要撃機との音声リンク、更にはデータ・リンクに対する通信妨害機能も付与された。
また1960年代末には、ソビエト連邦軍の機上レーダーやミサイルへの妨害機能も追加されたほか、1985年ごろにはAGM-88対レーダーミサイルの火器管制機能も付与された。
設計
本機では、対応する周波数を下記の周波数帯に区分している
- バンド1 - VHF(64~150 MHz)
- バンド2 - Aバンド(150~270 MHz; レーダーのG/Pバンドに相当)
- バンド4 - Cバンド(500 MHz~1 GHz)
- バンド5/6 - Dバンド(1~2.5 GHz; レーダーのLバンドに相当)
- バンド7 - E/Fバンド(2.5~4 GHz; レーダーのSバンドに相当)
- バンド8 - G/Hバンド(4~7.5/7.75 GHz; レーダーのCバンドに相当)
- バンド9 - I/Jバンド(7.5/7.75~11 GHz; レーダーのXバンドに相当)
EA-6B初期型で搭載されていたALQ-99では、バンド1/2およびバンド4、7をカバーしていた。EA-6B後期型およびEXCAP(EXtended CAPability)で装備化されたALQ-99Aでは、さらにバンド5/6および8が追加された。その後、信頼性向上などを図って、ALQ-99B、ALQ-99Cと順次に改良された[2]。これらはいずれも半自動システムとされていた。これはコンピュータが実用化される以前は、自動化は信頼性に問題があると考えられていたためであった
1977年に進空したEA-6B ICAP-1で装備化されたAN/ALQ-99Dにおいて、複雑化する電子戦環境に対して、従来の半自動方式では対応できないことが判明したことから、同シリーズにおいてアナログ・コンピュータが導入された[1]。受信機もデジタル化されている。また空軍のEF-111向けとして、AN/ALQ-99Eも開発された。同機では電子戦士官が1名のみ(EA-6Bでは3名)であったことから、自動化が進められている。その後、1980年に進空したEA-6B ICAP-2で装備化されたAN/ALQ-99Fでは全面的な改設計が施された。電子計算機はAN/AYK-14に更新された。
AN/ALQ-99のサブシステムの多くは、ポッドに収容されて主翼下に搭載されている。例えば-99Fにおいては、このポッドは4.7×0.7×0.5メートルの大きさで、先端には機器の電源用のラムエア・タービン(RAT)が設置されている。RATは指示対気速度(IAS)185 km/hで作動を開始し、356 km/hで送信機1基、407 km/hで送信機2基の所要電力を賄うことができ、最大27 kVAの出力を発揮できる。
ポッドのアンテナは電子走査式とされており、ビーム幅は30度、出力はおおむね1 kW/MHzで、旧式のAN/ALQ-99は最大10.8キロワット、新型は6.8キロワットとされる。このポッドには複数の種類があり、それぞれが異なった、もしくは相互に重複する周波数帯をカバーするようになっており、任務や敵情に応じて選択される[4]。-99Fにおいては、下記のような構成がある。
- バンド1用×1基+バンド2用×1基 - 494 kg
- バンド4用×2基 - 460 kg
- バンド4用×1基+バンド5/6用×1基 - 475 kg
- バンド4用×1基+バンド7用×1基 - 465 kg
- バンド4用×1基+バンド8用×1基 - 467 kg
- バンド4用×1基+バンド9用×1基 - 477 kg
- バンド5/6用×2基 - 489 kg
- バンド5/6用×1基+バンド7用×1基 - 480 kg
- バンド5/6用×1基+バンド8用×1基 - 482 kg
- バンド5/6用×1基+バンド9用×1基 - 492 kg
- バンド7用×1基+バンド7用×1基 - 470 kg
- バンド7用×1基+バンド8用×1基 - 472 kg
- バンド7用×1基+バンド9用×1基 - 482 kg
- バンド8用×2基 - 474 kg
- バンド8用×1基+バンド9用×1基 - 484 kg
- バンド9用×2基 - 494 kg
一方、広帯域受信機を中核としたシステム統合受信機(System Integrated Receiver, SIR)については、垂直尾翼上端の大型フェアリングに配置されていた。ただしこれは、EA-6B ICAP-3においては64 MHzから40 GHzまで対応したAN/ALQ-218(旧称LR-700)によって更新されている。
また次世代電波妨害装置完成までの繋ぎとして、更なる改修が実施されている。これはプログラマブル技術を適応して、信頼性や能力を向上させ、ミッションのニーズの変化に適応するもので、ユニバーサル・エキサイターのコンポーネントのアップグレードを含む3つのコンポーネントが交換され、寿命延長改修が行われる。再設計は2017年6月に完了する予定
運用
AN/ALQ-99は、1970年代のベトナム戦争からリビア爆撃、湾岸戦争、ノーザン・ウォッチ作戦、サザン・ウォッチ作戦、アライド・フォース作戦、イラク戦争、2011年に入ってのオデッセイの夜明け作戦など様々な軍事行動において使用された。
だが信頼性が低く、機上試験においても頻繁にエラーを出し、これは実戦においても作戦失敗という形で反映された。EA-18Gでは機体のAESAレーダーに干渉して最高速度を下げることになり、乗員2名で扱うには大きな負担を課するシステムであった。
そのため、後継ポッドとして次世代電波妨害装置が開発されている。
搭載機
アメリカ海軍のEA-18G、海軍及びアメリカ海兵隊のEA-6Bに搭載されている。アメリカ空軍のEF-111Aにも搭載されていたが、1998年5月の同機の退役に伴い運用を終了したEA-18G搭載のAN/ALQ-99Fのポッド。

EA-6B。両機とも垂直尾翼にフェアリングを備え、手前の機体は3基のポッドを主翼及び機体の下部に搭載している

EF-111A。本機では機器の多くが内蔵化されており、垂直尾翼のフェアリングのほかは機体下面のカヌー型レドームのみが露出している





































EA-18Gは、アメリカ合衆国の電子戦機で、EA-6B プラウラーの後継機として複座型のF/A-18Fスーパーホーネットをベースに開発された。愛称はグラウラー(Growler:「うなる者」の意、「グロウラー」と読む場合もある)。

開発経緯
アメリカ海軍では、2010年から減勢が始まるEA-6Bの後継機としてF/A-18F Block2戦闘攻撃機をベースとした電子戦機を開発することとし、F/A-18F(F-1)を使用して初期の飛行デモンストレーションが実施され、2001年11月15日に完了した。2003年12月29日にはアメリカ海軍が、5年間のシステム設計および開発(SDD)契約をボーイング社に与え、海軍の正式プログラムとしてスタートした。
アメリカ海軍はボーイング社に試作機2機の開発契約を与え、2006年8月16日に試作初号機(EA-1)がボーイング社セントルイス工場に隣接するランバート国際空港で初飛行し、9月22日にアメリカ海軍に引き渡されてパタクセント・リバー海軍航空基地の海軍航空戦センター(Naval Air Warfare Center)で試験が開始され、試作2号機(EA-2)も2006年11月13日にランバート国際空港で初飛行を行い、11月29日に海軍航空戦センターへ引き渡されている。
EA-18G量産機は2006会計年度に4機の初期生産型が発注され、2007年1月には試作機を使用してのAN/ALQ-99戦術妨害装置ポッドによる妨害飛行試験にも成功している。
2007年9月24日に量産初号機(G-1)がアメリカ海軍へ引き渡され、2008年6月4日には艦隊即応飛行隊(FRS)向けの量産機の引き渡しが開始され、まずホイッドビー・アイランド海軍基地の第129電子戦飛行隊(VAQ-129 Vikings)に配備されて乗員訓練が開始された。続いて最初の実戦部隊となる第132電子戦飛行隊(VAQ-132 Scorpions)への配備が開始され、2009年9月に初期作戦能力(IOC)を獲得した。
機体構成
EA-18Gはスタンドオフ電子妨害、護衛電子妨害、自己防御電子妨害などのミッションをこなす機体となるもので、EA-6B(ICAPIII)を基本にした能力を備えている。
電子戦装備としては、AN/ALQ-99戦術妨害装置(TJS)ポッド、AN/ALQ-218(V)2無線周波受信システム、AN/ALQ-227通信対抗手段セット(CCS)を搭載する。また、火器管制レーダーはAN/APG-79アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーで、F/A-18E/F Block2と変わらない。本機では固定武装はオミットされており、F/A-18E/FではM61 20mmバルカン砲が搭載されることになる機首内スペースにも電子戦用機器を搭載している。また、F/A-18E/Fと共通する部分が多いため、高い対地攻撃能力と対空脅威に対する自己防御能力も有する。
ハードポイントはF/A-18E/Fの11箇所から両翼端のミサイルランチャーが電子戦用ポッドに変更されたため9箇所になり、うち胴体中心線下のステーションナンバー5と両主翼下中央のステーションナンバー2と8にはAN/ALQ-99戦術妨害装置ポッドが装備される。胴体下のものは低バンドの妨害装置ポッドで、両主翼下のものは高バンドのポッドである。残りのステーションにはミッションに応じた装備品が搭載され、うち2箇所は原則としてAGM-88 HARM対レーダーミサイルの搭載ステーションとされている。また、ステーション4と6にはAIM-120 AMRAAM空対空ミサイルを搭載できる。フェリー飛行の際には胴体下と翼下に480ガロン(約1,817リットル)タンクを計5個装着して1,800海里(約3,334km)飛行できる。
コックピットはF/A-18Fと基本的に変わらないが、後席には電子妨害士官(ECMO)が搭乗し、多機能表示装置にECM状況などの表示が行える。また、前席のパイロットも同じ情報を多機能表示装置に映し出すことが可能である。
性能諸元
- 全幅:13.62m(主翼端ポッドを含む)/9.94m(主翼折り畳み時)
- 全長:18.38m
- 全高:4.88m
- 主翼面積:46.45m2
- 空虚重量:14,552kg
- 最大離陸重量:29,938kg
- ゼネラル・エレクトリック製F414-GE-400 ターボファン×2基
- エンジン推力:97.9kN(A/B使用時)
- 最大速度:マッハ1.8
- 戦闘上昇限度:15,240m
- 乗員:2名
- 武装






AN/ALQ-99
AN/ALQ-99
AN/ALQ-99
EA-18G
電子戦機(1) – EA-18G Growler Block IIアップグレード
電子戦機に関して:
(1) – EA-18G Growler Block IIアップグレード
ボーイングEA-18Gグラウラー電子戦(攻撃)機に関して、米海軍は7月に最終の機体を受領予定で、2009年から続いてきた機体受領が終了します。これにより20年間にわたって行われてきたEA-6Bプラウラーの後継機開発と配備という一連のプロジェクトの幕が降りることとなります。
電子戦に関しては、米軍装備に対抗する装備も日々進化している為、早速、5月末には更新プロジェクトの計画が米海軍から発表され、EA-18G電子攻撃機の「Block II(ブロック2)」規格へのアップグレードが正式にローンチされました。
今回海軍から発表されたのはRFI(Request for Information – 提案依頼書)と、各種情報の提供を製造者に対して求めるものです。内容的には、電子攻撃ユニット(EAU) サロゲートプロセッサ(ESP)、AN/ALQ-218(V)4 RF 受信システム、AN/ALQ-227(V)2 通信対策セットなどのTJS(戦術電波妨害装置)構成品のアップグレードに関して、NRE(試作設計)を求めるものです。
米海軍が保有する全161機のグラウラーへのBlock II化計画は2020年7月から始まる予定で、恐らく11機を保有するオーストラリア空軍の機体に対しても同様のアップグレードが行われるものと思われます。(フィンランド、ドイツなどが今後のユーザー候補国。日本も一瞬話題になりました。)
「アドバンスドグラウラー」としても知られていたこのBlock IIアップグレード計画は、海軍のF/A-18E/FスーパーホーネットのBlock IIIアップグレード更新計画をベースにしています。どちらの計画も、前後コックピットの計器盤が10×19インチ(約21インチワイド)LADディスプレイ、胴体上部にコンフォーマル燃料タンク(CFT)が装備されるというものです。これにプラスして、グラウラーは先に記載した、次世代ジャミング装置、電子攻撃センサーの能力向上、戦術ネットワークと操作性の向上が計画されています。
先代のEA-6Bプラウラーは2019年3月に最後の機体が退役したことで、EA-18Gグラウラー電子攻撃機は、米軍が保有する空母と陸上基地両方で運用することができる、唯一の電子攻撃機となりました。2009年に部隊配備された比較的新しい機体でスーパーホーネット譲りのAPG-79AESAレーダーによるクロスキューイング能力等で優れている部分はあります。しかし、電子戦に使用されるミッション機器の多くをそのままEA-6Bの時代から引き継いでいる状態です。
これからの電子戦環境は新しい種類の脅威に対応していく必要があります。EA-18GはEA-6Bが経験したことをはるかに超える能力を持つ敵対的レーダーに直面する可能性があります。例えば、EA-18Gの妨害電波の存在を検知し適応することができる相手の新種レーダーが、異なる波形や信号処理技術に移行することで、EA-18Gの妨害電波によるジャミング攻撃を軽減することを可能にするかもしれません。
電子戦の世界は生々流転の世で、次から次へと対抗策が生まれてきます。その為に、大容量&高速でコンピューターが必要となり、適応分散処理できるシステム構築が必要となります。
アップグレードの内容予想:
EA-18G Growler Block IIのアップグレードの詳しい内容はまだ明らかではありません。しかし、これまでの開発やテストからどのような能力を有することになるのかのイメージを持つことはできます。
・無人機の使用
・ALQ-218(V2)に続く次世代バージョン
・ソフトウェア無線技術
無人機の使用
例えば、電子攻撃ミッション機器を製造するノースロップ社は2017年12月に「Dash
X」というコンセプトを発表しました。これはアップグレードされたEA-18G
Growlerに搭載したクラスター爆弾サイズの直径16インチのキャニスターに収められた無人航空システム(UAS)で、最終形状ではないと思われますが、キャニスターからパラシュートで投下される使い捨てタイプで、敵対的防空網に侵入し、敵対的なレーダーや無線機からの信号をUAS機体の下部に取り付けられた装置で拾い上げ、それらの信号に関する情報をEA-18GやB-52Hに送り返すことができるというものでした。実験では、電波を発する車両を検知し、車両位置を割り出すことができました。写真で見る限り、機種にはラジコン飛行機に使用されるような小さなピストンエンジンがついており、このエンジンからの熱はサーマル探知されやすく、そのエンジンと共に3.66mの機体幅によってある程度のレーダー反射面積(RCS)になると思われますが、60ノットの超低速と薄い機体によって被撃墜率を下げ、かなり目標まで近づくことができるようです。レーダーには鳥のように映るのでしょう。このようなUASシステムを搭載、運用するという能力もBlock
IIの能力の一部となりそうです。
ALQ-218(V2)に続く次世代バージョン
EA-18Gは配備開始した2009年からノースロップのパッシブALQ-218(V)2レシーバシステム(主翼端に付いているポッドのこと)を運用してきましたが、2015にはEA-18Gの編隊がデータリンクTactical
Targeting Networking Technology (TTNT)
を使用して新たな能力を実証しました。これは到達時間差方式を使用し、パッシブALQ-218レシーバからのデータのシェアリングと、データをもとに三角測量することで、海上に設置されたターゲットの送信設備の位置を正確に補足することができました。
EA-18G Block IIではこのレシーバーユニットに関しても、アップグレードがもちろん計られますので、低周波送信機のさらに高速で高精度な位置情報取得能力を得ることになると思われます。
海軍の資料(Budget Item Justification)の中には、従来の方法では検出または識別できない複雑な波形を持つ高周波エミッタの検出と識別ができるALQ-218(V2)に続く次世代バージョン(LBDR)に付いても記載されています。
ソフトウェア無線技術
これまでの電子戦のコンセプトは敵側のアナログ送信機がジャミングするように強力な妨害電波を送信することでした。しかし、新しい脅威となる敵のレーダーも複雑で、プログラム可能で機敏な波形を使用するデジタルレーダおよび無線機であるため、初めて検知する波長に対して、どれだけ早く波長データを処理し、対応できるかということになってきます。
これに関しては、DARPAによってアダプティブレーダー対策とアダプティブ電子戦のための行動学習プログラムが開始され、Office
of Naval Research(ONR)は2016年にReactive Electronic Attack
Measures(REAM)と呼ばれるプログラムを開始しました。これは特にEA-18Gの妨害システムの改善を目的としたものです。
ONRによるREAMのコンセプトは:敵対的エリアでEA-18Gが未確認のレーダー照射を受けます。同時に、そのレーダーの特性を迅速に特徴付け、自動でその特定の信号に対する対抗策(countermeasure)を発します。海軍の予算報告書では、この対抗策を複数のレーダーに対して同時に行い妨害できるとしています。
「REAMは機械学習ロジック、電子攻撃技術の自動化、ソフトウェアとハードウェアのアップグレードによって可能となる」と同書類の中には述べられています。
これは全てではないですが、無人機、低バンドの妨害装置ポッド(LBDR)とREAMの組合せなどをみると、Block IIで実施されるアップグレードの可能性を少しだけ想像できます。
ALQ-218
EA-18G
コメント
コメント一覧 (2)
prc77
が
しました
First EA-18G inducted for Growler Capability Modification
で検索して見つけました。
prc77
が
しました