株式会社ケンウッド(英: Kenwood Corporation)は、かつて家庭用オーディオ機器、およびカーマルチメディア機器(カーオーディオ・カーナビゲーションなど)、無線通信機器(アマチュア無線、業務無線など)などを製造・販売していたメーカーである。ブランドステートメントは 「Listen to the Future」、本社は東京都八王子市北八王子工業団地内に所在した。
2011年10月1日に日本ビクターと共に株式会社JVCケンウッドに吸収合併されたが、KENWOODは株式会社JVCケンウッドの商品ブランドとして引き続き使われている。
長野県駒ヶ根市に有限会社春日無線電機商会として設立。当初は高周波コイル(ラジオ受信機の部品)製造からスタートした。山に囲まれ外来電波が届きにくい、すなわち非常に静穏でノイズが少ない電波環境である伊那谷で培った高周波技術がFMチューナー、無線機器の礎となっている(非常に高性能な電波暗室を所有することができた)。
1947年に商標をTRIOとし、1960年には社名もトリオに変更。 オーディオブーム全盛の頃には山水電気(破産済み)、パイオニア(2015年3月2日よりホームAV機器事業は全てオンキヨーの完全子会社のオンキヨー&パイオニア(旧・パイオニアホームエレクトロニクス)へ移管)と並びオーディオ御三家とされ「サン・トリ・パイ」と通称された。尤も、1972年に創立者の春日兄弟が社内クーデターで社を追われ、アキュフェーズを設立している。
また、長年アマチュア無線や受信機を手がけてきた技術を評価され「チューナーのトリオ」とも呼ばれていた。アマチュア無線機器ではアイコム、八重洲無線(のちのバーテックススタンダード前身のひとつ)と共に、三巨頭を形成していた。日本で初めてアマチュア無線用送信機「TX-88A」を世に送り出した社である。
2008年での主力商品は、カーマルチメディア機器、家庭用オーディオ機器、無線機器であった。カーオーディオは富士重工業(現・SUBARU)や本田技研工業などに純正オーディオとしてOEM供給した。
かつては単体のラジオ受信機、携帯電話、PHS、コードレス電話、ファクシミリ、磁気テープなどの製造、音楽レコードの制作(トリオレコード)を行っていたが、業績の不振で撤退している。
オシロスコープなどの計測機器事業は1996年より子会社のケンウッド・ティー・エム・アイ(Kenwood TMI Corp.)が開発・製造・販売を行っていたが、2002年に日本毛織へ譲渡。2006年12月1日より株式会社テクシオ(TEXIO CORPORATION)に社名変更を行っている。
デジタルオーディオプレーヤー市場には、2001年初頭にWMAフォーマット対応のCDプレーヤータイプで参入。2005年にフラッシュメモリタイプで参入。当初はクリエイティブ社のOEM供給を受けていた。またのちにはMEDIA kegシリーズでリニアPCMレコーダーを発売したことがある(ただし2011年度をもって生産終了)。
かつて、TDKからOEM供給を受けて、コンパクトカセットを販売していた。
日本ビクターとの経営統合
2006年12月、松下電器産業(現 パナソニック)から日本ビクターを買収する交渉に入ったという報道がなされたが、最終的には条件が折り合わず見送った。
2007年7月24日、日本ビクターが8月10日に総額350億円の第三者割当増資を行い、2008年に持ち株会社による経営統合することを前提にケンウッドが200億円、スパークス・グループが150億円を引き受け、業務・資本提携で合意。10月1日、折半出資で技術開発合弁会社、J&K テクノロジーズ株式会社を新設。カー及びホームエレクトロニクス技術開発のコラボレーションがスタートした。
2008年6月27日、10月1日に共同持株会社・JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社(本店は横浜市のビクター本店内)を設立し、経営統合することが株主総会で承認された。ケンウッド及びビクターは9月25日に上場廃止。共同持株会社・JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社が10月1日に設立・上場され、ケンウッドは同社傘下の事業会社となった。
2011年5月13日、10月1日にケンウッドを含む3事業会社と、JVC・ケンウッド・ホールディングス株式会社(8月1日に株式会社JVCケンウッドに改称)が合併する計画が発表された。10月1日に予定どおり合併が行われ、株式会社ケンウッドなる法人は65年の歴史に幕を下ろした。
春日無線工業 トリオ(TRIO)
昭和21年(’46年)長野県駒ヶ根市に有限会社春日無線電機商会として産声を上げ、当初、ラジオ受信機の部品である高周波コイルの製造からスタートした。

“トリオ”の商標を使っていた同社は、その後 ’50年、春日無線工業株式会社と社名を変え、受信機の開発を始め、’52年に発売した第1号の受信機が6R-4Sである。
写真のように、Hallicrafters S-38を模倣したデザインと回路構成であり、同年に再開されたアマチュア無線や漁業無線をターゲットにしていたため、短波のハイ・バンドやモールス信号受信に対応することで、人気を集めてた。その後さらに高性能な9R-4シリーズを発売するなど、山に囲まれ放送波などの微弱な電波環境である伊那谷で培った高周波技術がFMチューナ、無線通信機器の礎となっている。
▲春日無線工業(現ケンウッド) 第1号の短波受信機 6R-4S

1954年には9R-4と9R-42が発売される。両者のちがいは受信周波数帯で9R-42はアマチュア無線で使いやすい区分になっている。構成は高1中2で一部MT管だがGT管が多用されていた。いずれもスピーカーと出力トランスは6R-4Sと異なり内蔵されていない。4年後に改良版の9R-4Jと9R-42Jが発売されたが整流管を除いてMT管となりBFOピッチコントロールが加わった。またケースの外寸も幅以外は若干小さくなってカラーも黒のちりめん塗装からグレーに変わった。


TRIO JR-200 通信型受信機 取り扱い説明書


TRIO JR-500S 通信型受信機 インストレーションマニュアル


TRIO 9R-59DS 通信型受信機 取り扱い説明書



日本で初めてアマチュア無線用送信機「TX-88A」
TX88Aは,1960年にトリオ(現ケンウッド)からキットで販売されたオールバンドの送信機です。時を同じくして受信機9R59も発売しています。TX88Aは1年前のTX88のマイナーチェンジ版というよりは,まったく新しく設計された別物でした中身は,高周波回路としては,水晶発振またはVFOを受けての第1周波数逓倍(マルチプライヤー)に6AQ5,第2逓倍または励振(ドライバー)アンプに同じく6AQ5,終段にUY-807という構成で,CW時には入力17.5W,出力10W,また変調器としてマイク・アンプとドライバーに12AX7,ドライバー・トランスを経て,プッシュプル出力に6BQ5x2という構成で,AM時には入力25W,出力10W,電源は整流管に5U4G,という仕様です。オール・バンドという用語は普通,3.5MHzから28MHzまでのHF帯を指していましたが,当時としては画期的なことに国内で人気の高いVHFの50MHzを含む6バンドでした。電話級最大の10Wをフルに出せ,おまけに50MHzまで出れましたので,ペアの9R59(C)とともに一世を風靡し日本の標準機となりました。しかし,UY-807で50MHz専用なら大丈夫なのですが,オールバンドではロータリスイッチ周りの配線の引き回しが余分に必要なため,トラブル・メーカとなりました。ちなみに春日無線(トリオ,現ケンウッド)は戦後の5球スーパ時代が到来した時にラジオ用IFTやコイルの販売から出発した戦後のメーカですが,1954年にハム用受信機キット9R42J(K)を発売,1955年には国内初の送信機キットTX-1(UY-807,10W,3.5/7MHz)を販売しています。1956年には9R42Jの5球スーパ版,6R-4も販売。1958年には9R42Jの完成機も発売,1959年にはTX-1よりも小型のTX88(3.5MHz/7MHzの2バンド,終段6AR5)も販売しました。今日の視点で眺めてみると,C級アンプは能率の点では最も良いのですが,半面これを3段も重ねると高調波の漏洩は当たり前,しかもフィルタは終段のパイマッチ以外無く,周波数カウンタもスペクトル・アナライザも無い時代,初心者向けとしては最も難しい機械だったようです。





ケンウッドの歴史解説(音声)
TS-990が出来るまでケンウッド山形工場
Building the TS-990 at JVCKENWOOD Yamagata | JVCKENWOOD
Ham Fair Tokyo 2019 KENWOOD Booth【ハムフェア東京2019 ケンウッドブース】
ハムフェア2013 ケンウッドTS-990プレゼンテーションステージ | JVCKENWOOD
Special interview with the developer in charge of the TS-990 | Section 4: Operation | JVCKENWOOD
TS-990開発責任者 スペシャルインタビュー 操作編 | JVCKENWOOD
TS-990開発責任者 スペシャルインタビュー 送信・ディスプレイ編 | JVCKENWOOD
TS-990開発責任者 スペシャルインタビュー 受信部編 | JVCKENWOOD
TS-520
JR-599
TRIO 6R-4S
TRIO 6R-4S
TRIO 9R-4J
TRIO 9R-4J
TRIO 9R-59
TRIO 9R-59
TRIO 9R-59 REPAIR
TRIO 9R-59D
TRIO 9R-59D
KENWOOD RADIO
HAM RADIO ELECRFT YAESU ICOM KENWOOD
KENWOOD COMMUNICATION
1972年に創立者の春日兄弟が社内クーデターで社を追われ、アキュフェーズを設立





春日無線 KA-43SEⅡキット
FM真空管ラジオ 春日無線電機商会 AF-252
真空管ラジオ 春日無線電機商会 5M-24
真空管ラジオ 春日無線電機商会 5M-22
2016年12月21日をもって設立70周年を迎えました
ケンウッド設立70周年記念モデルとして、「TRIO」ロゴを冠し70台限定発売

HF / 50 MHzトランシーバー「TS-590SG70」を発売
~フロントパネルに「エレガント クリスタル ブラック」の特別仕上げを採用~
株式会社JVCケンウッドは、ケンウッドブランドより、ケンウッド設立70周年記念モデルとして、「TRIO」ロゴを冠し、特別仕様としたHF / 50 MHzトランシーバー「TS-590SG70」を9月中旬より、70台限定(要予約)で発売します。予約は、7月24日から9月6日まで、当社無線機商品の取扱い販売店にて受け付けます。
【ケンウッド設立70周年記念モデルについて】

当社が展開する「KENWOOD」ブランドを生み出した旧 株式会社ケンウッドは、昨年、設立70周年を迎えました。本機は、これを記念して発売する限定商品(数量限定70台)です。「KENWOOD」ブランドの前身である「TRIO」時代より、長くアマチュア無線を楽しまれているユーザーの皆様に親しんでいただいた「TRIO」のロゴを本機限定で、フロントパネルのバッジに採用した特別仕様となっています。

ラジオの修理、組み立て販売からはじまった旧株式会社ケンウッドは、前身である旧有限会社春日無線電機商会の創業から、昨年2016年12月21日をもって設立70周年を迎えました。現在の「KENWOOD」ブランドの前身である「TRIO」ブランドの時代より、オーディオ製品や無線機などのブランドとして、ユーザーの皆様に親しんでいただいてきました。
アマチュア無線商品においては、なかでも1966年に当社初のHFオールバンドSSBトランシーバーとして発売した「TS-500」をファーストモデルとする“500番台シリーズ”は、無線機の基本性能である送受信機能の向上を図るとともに、コンパクトさ、使いやすさの充実等、ブラッシュアップを重ねてきた「TRIO」ブランドのアマチュア無線分野の代表的な製品であり、多くのユーザーの皆様から好評を得てきました。
このたび、ケンウッド設立70周年を記念するとともに、「TRIO」時代からご愛顧いただいてきたユーザーの皆様への感謝を込めて、特別仕様の限定モデル「TS-590SG70」を発売します。
本機は、好評の現行モデルHF/50MHzトランシーバー「TS-590SG」(2014年11月発売)をベースに、「TRIO」ロゴをフロントパネルバッジに採用し、フロントパネルを高級感ある「エレガント クリスタル ブラック」仕上げとしたほか、限定シリアルナンバーを付与しています。さらに、購入者全員に、ケンウッド設立70周年記念特製コールサインプレートも進呈します。
「KENWOOD」ブランドを生み出した旧 株式会社ケンウッドが設立70周年、また「JVC」「Victor」ブランドを生み出した旧 日本ビクター株式会社が設立90周年を迎え、当社が展開する3大ブランドは、ともに長くご愛顧いただきながら、ひとつの節目を迎えました。信頼と歴史を積み重ねてきた、この3つのプロダクトブランドを、当社の大きな強みとして、より一層強化していきます。
TS-590
HF/50MHz帯 トランシーバー
TS-890SNEW
448,000円(税抜き)
出力:100W 2アマ免許
技術基準適合証明取得機種
TS-890DNEW
448,000円(税抜き)
出力:50W 3アマ免許
技術基準適合証明取得機種
HF/50MHz帯 トランシーバー
TS-890SNEW
448,000円(税抜き)
出力:100W 2アマ免許
技術基準適合証明取得機種
TS-990