Iraqi Freedom
イラク Iraqi Freedom
Iraqi Freedom
軍用無線機 船舶無線機 短波受信機 米軍最新兵器情報 アマチュア無線など
戦略爆撃機は、核戦争の突発に備えて一定の数が核爆弾を積んだまま、いつでも飛び出せるように待機しています。
「核戦争開始」の警報が出て敵地に向って飛んで行くとき、最終投下指令を送るのがジャイアント・トーク・ステーションです。爆撃機はジャイアント・トーク・ステーションからの最終指令が送られなければ、核爆弾を積んだまま引き返すことになっていますから、まさに全面核戦争の引き金ともなる「最終」の指令です。
これらの暗号名で呼ばれている通信システムによって、核戦争を指揮するといわれています。アメリカ本土から衛星通信や海底ケーブルで横田まで中継された指令を、所沢通信所(埼玉県所沢市)のアンテナから送信し、爆撃機からの応答を大和田通信所(東京都清瀬市、埼玉県新座市)で受信するといわれています。この通信システムは、司令部内にあるといわれている地球規模の指揮統制システム(GCCS)に組み込まれ、通信交換センターの建物は、周囲をフェンスで囲み、入り口は電子ロックされ窓がありません。
米軍の世界的な通信網は、確実性を期するために①軍用の通信衛星②短波(HF)によるネットワーク③KDDやNTTなど民間機関の海底ケーブルなどを利用しています。これらの能力を向上させる近代化とともに電磁パルスに対する防護策がとられています。軍用通信衛星の中心ネットワークは、国防衛星通信システム(DSCS)です。日本では地上ターミナルが神奈川県座間市にあり、横田基地の国防通信庁太平洋分遣隊が管理・運用しているといわれ、海底ケーブルは電磁パルスの影響を受けずしかもたくさんの情報を送れる光ファイバーに更新されています。
横田基地の南西部、国道16号線と五日市街道の交差点に面して、サプライ・ゲート(第5ゲート)があります。
このゲートから入って左側奥に、3つの旗がひるがえっているのが見えます。これが第5空軍司令部と在日米軍司令部の置かれている建物なのです。
地上2階地下3階の建物で1973年から関東計画によって日本政府予算でつくられたものです。この建物の地下部分は、核攻撃を受けることを想定した核シェルターになっています。米軍のシェルターの基準のなかで最大の重要度をもつ「EWO(緊急戦争作戦)シェルター」と呼ばれるものです。その任務は核攻撃で横田が壊滅的な打撃を受けても、米軍が核戦争をすすめるために必要な最低限の要員を生き延びさせるためのものなのです。
司令部には、全世界軍事指揮統制システム(WWMCCS)の作戦室があると言われています。これは、大統領を中心とする国家安全指揮機関(NCA)に情報を伝え、全世界の米軍部隊を指揮する根幹です。基地司令部は、近代化、設備強化にともない91年から3期にわたって建物の増改築工事を「思いやり予算」ですすめ、1996年10月完成予定です。横田基地は、さまざまな指揮通信機能が集中する戦争の司令部なのです。
第5空軍は、ソ連崩壊前は、フィリピン以北・ハワイ以西の北西太平洋全域の空を作戦空域としてきました。ところが、ソ連が崩壊してからは、アラスカからパナマ、カンボジア、インドネシア、中東まで地球のほぼ半分を作戦エリアとしています。この司令部が横田です。第5空軍司令部は、アメリカの抑止力政策に貢献し、万が一その抑止力が崩れた時には、空中作戦を行うため戦闘機の提供と軍事空輸支援を行います。
このため、青森県三沢基地に配備されているF16戦闘機部隊、沖縄の嘉手納基地のF15戦闘機部隊などを含め、戦闘機約130機、電子偵察などを任務とする偵察機10機などハワイに司令部を置く太平洋空軍のなかでも戦闘機や戦術輸送機をもつ実戦部隊で構成されています。これは、北朝鮮の「核疑惑」に対する軍事制裁を詳細に検討し、横田基地を朝鮮半島有事の空輸拠点とすることを公言しているアメリカの姿勢の表れです。
1994年、横田基地では朝鮮半島に向かう銃を背負い完全武装した兵員が大型輸送機に乗り込む姿が目撃され、基地周辺は事実上の戒厳令がしかれ昼夜問わず機動隊が基地の警備をするなど物々しい事態に包まれました。
在日米軍司令部のもう一つの顔が自衛隊との関わりです。安保条約第5条にもとづく自衛隊との共同作戦をすすめています。自衛隊の統合幕僚会議事務局と在日米軍司令部の間では、「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」にもとづき日米共同作戦研究やシナリオづくりがすすめられてきました。これらは政府や防衛庁が極秘としてきた「日米共同作戦計画」の具体化を協議する自衛隊と在日米軍の常設機関の共同防衛研究をすすめるための「日米統合委員会」や日米両兵力の一体化をめざす「共同相互運用性調整委員会」などで検討されたといわれています。
これらと平行して、84年陸・海・空の自衛隊を一本化し指揮するための中央指揮所(六本木防衛庁内)がつくられ、同時に横田基地司令部内に米軍の中央指揮所も設置されました。自衛隊の中央指揮所には米軍が、米軍の中央指揮所には自衛隊が連絡将校を置いています。このように、アメリカの戦争行動に自衛隊が無条件で参加する態勢づくりがすすめられているのです。
1994年横田基地で行われた指揮所演習で、自衛隊は米軍が湾岸戦争時に実際使った「戦闘シミュレーション」を使って訓練をしています。
96年1月15日から2月2日にかけて横田基地で行われた「日米共同統合指揮所演習」は、的に占領された日本海の隠岐島に陸上自衛隊の空挺部隊や海上自衛隊が米軍の支援のもとに「敵前上陸」し、奪回するというシナリオでした。共同指揮所演習は今回で10回目ですが年々規模内容ともにエスカレートしています。また、96年の指揮所演習では、在日米軍司令部が自衛隊と「共同使用」されました。これは、日米共同作戦で不可欠な「共同作戦調整所」の機能を演習したものと考えられます。これらは、アメリカの戦争行動に自衛隊が参加するという「共同宣言」の先取りの動きです。
1988年当初から指摘してきたとおり新防衛庁建設と首都圏自衛隊基地の再編強化計画は、日米共同作戦を担い、実戦できる体制づくりです。すでに新防衛庁がつくられる市ヶ谷基地には、全国の自衛隊を指揮するための様々な司令部中枢施設がつくられています。これらは、住民の移転反対を押し切って急速にすすめられています。
1996年防衛庁接地法の改正で、「新防衛庁」には、これまで陸上・海上・航空の各幕僚ごとの情報組織を統合幕僚に一本化する「情報本部」の設置が計画されています。これにより総定員1582人という最大の情報収集・分析機関となります。
横田基地には、電子偵察機RC135が飛来し、また諜報収集を行う任務をもつ第5航空諜報隊が配備されています。これに加え、1995年10月神奈川県米海軍上瀬谷基地から統合諜報軍団太平洋分遣隊が移駐してきました。これは、ハワイに本部をおき、艦隊海洋監視情報センター(FOSIC)を管理する部隊だといわれています。「FOSIC」は」、インド洋、西太平洋における軍艦の位置と動きに関する情報を海洋監視衛星、偵察機などであつめ総合的に分析するセンターです。
横田基地には、核戦争を指揮するためのさまざまなシステムがあるといわれています。これらは勝者なき核戦争に「勝つため」アメリカが維持強化しているものです。それは、核戦争時全部隊に指令を送るための通信システムといわれています。
核戦争時、大統領は、ボーイング747ジャンボジェット機を改造したE4Bにのりこみ空中から核戦争を指揮します。大統領が米軍の核戦力を掌握してE4Bから指令を全部隊に伝えるための通信が「ミスティック・スター」です。
核戦争時、米太平洋軍司令官の指揮・命令とくに、EC135空中指揮機から指令を全軍に伝えるための通信ネットワークです。
戦略爆撃機は、核戦争の突発に備えて一定の数が核爆弾を積んだまま、いつでも飛び出せるように待機しています。
「核戦争開始」の警報が出て敵地に向って飛んで行くとき、最終投下指令を送るのがジャイアント・トーク・ステーションです。爆撃機はジャイアント・トーク・ステーションからの最終指令が送られなければ、核爆弾を積んだまま引き返すことになっていますから、まさに全面核戦争の引き金ともなる「最終」の指令です。
これらの暗号名で呼ばれている通信システムによって、核戦争を指揮するといわれています。アメリカ本土から衛星通信や海底ケーブルで横田まで中継された指令を、所沢通信所(埼玉県所沢市)のアンテナから送信し、爆撃機からの応答を大和田通信所(東京都清瀬市、埼玉県新座市)で受信するといわれています。この通信システムは、司令部内にあるといわれている地球規模の指揮統制システム(GCCS)に組み込まれ、通信交換センターの建物は、周囲をフェンスで囲み、入り口は電子ロックされ窓がありません。
米軍の世界的な通信網は、確実性を期するために①軍用の通信衛星②短波(HF)によるネットワーク③KDDやNTTなど民間機関の海底ケーブルなどを利用しています。これらの能力を向上させる近代化とともに電磁パルスに対する防護策がとられています。軍用通信衛星の中心ネットワークは、国防衛星通信システム(DSCS)です。日本では地上ターミナルが神奈川県座間市にあり、横田基地の国防通信庁太平洋分遣隊が管理・運用しているといわれ、海底ケーブルは電磁パルスの影響を受けずしかもたくさんの情報を送れる光ファイバーに更新されています。
湾岸戦争やアメリカのイラク攻撃で使われている「トマホーク」ミサイルの使用に対しても、横田基地は重要な役割を果たしています。トマホークは、「TERCOM(地図地形照合装置)」によって、実際に飛んでいる場所の地形と、あらかじめ記憶させた予定された飛行コースの地形を照合し、コースからのずれを、自動的に検出・修正することによって最大2500キロ離れた場所に誤差数十メートルで命中させることができるといわれています。そのためには、飛行コースとなる敵地の地形の詳細なデータが決定的に重要となってきます。このデータを記録した磁気ディスクをトマホーク搭載艦に運ぶのが軍急使サービスです。この軍急使サービスが、横田基地、横須賀基地に配備されているのです。
「最後のラジオ局」としても知られるWGU-20は、1970年代に米国国防民事準備局によって運営されていました。
メリーランド州チェイスからの179kHzの長波周波数で24時間稼働している、WGU-20のプログラミングは、事前に録音されたアナウンス(天気予報を含む)と時間チェックで構成されていました。送信機は39°21'3.4"N76°20'44.7"Wに配置され、2011年に取り壊された高さ219.45メートル(720フィート)のシングルマストアンテナをアンテナとして使用しました。初期の音声合成システムの音ですが、メッセージは明確に理解でき、バックグラウンドにタイムティックがあり、話している時計に似た継続的なアナウンスがあります。
こんばんは。これは、東中央州に緊急情報を提供する防衛市民準備機関のステーションであるWGU-20です。東部標準時17時間、20分、20秒。こんばんは。これは、東中央州に緊急情報を提供する防衛市民準備機関のステーションであるWGU-20です。東部標準時17時間、20分、30秒。こんばんは。..。
ウェスティングハウスによって製造された世界初の全固体の50,000ワットの無線送信機を利用して、信号は東海岸の大部分をカバーしました。WGU-20は当初、謎のようなものでしポピュラーエレクトロニクス誌の小さなニュース記事 がWGU-20とは何かを正確に概説するまで、何千人ものアマチュア無線家とラジオ愛好家が局の性質について推測していました。その後、レセプションレポート(テキサスから遠く離れた場所からのものもあります)に、馬に乗ったポールリビアをフィーチャーした特別なQSLカードが送信されました。アラームを鳴らします。
WGU-20は元々、(当時の緊急放送システムと同じ回線に沿って)敵の攻撃を公衆に警告するために使用される意思決定情報配信システム(DIDS)の一部として設計されました。当初想定されていたように、ラジオ、テレビ、さらには煙探知器を含む多くの家庭用機器には、安価な長波受信機が組み込まれており、攻撃メッセージが確実に届くようになっています。長波周波数が選択されたのは、それが生成した拡張された表面波信号が核爆発の影響に対して比較的影響を受けないと考えられていたためです。
1973年に200万米ドルで建設されたWGU-20は、10台のDIDS「配電所」のプロトタイプでした。これらは、700フィートのタワーで167、179、および191kHzで50kWを動作させるためのものでした。メリーランドサイトの他に、配布ステーションの候補サイトはマサチューセッツ州メイナードでした。ペンシルベニア州マウントジョイ; グレー、メイン; テネシー州モリスタウン; フロリダ州スタークまたはフロリダ州チーフランド; マゾマニー、ウィスコンシン; テキサス州カーセージ、テキサス州マーシャルまたはテキサス州シーゴビル; ワイオミング州アルコーバまたはワイオミング州リバートン; カリフォルニア州メンドータまたはカリフォルニア州セルマ; アリゾナ州ウィンズロー; オレゴン州ハーミストン; とワルーラ、ワシントン。このネットワークは、ミサイルや爆撃機が攻撃する場所を予測し、どのエリアを避けるべきかをリスナーに知らせる警告をブロードキャストするセーフガードレーダーネットワークに接続するように設計されています。
民間防衛(みんかんぼうえい、英語: civil defense)とは、武力紛争等の緊急事態において市民によって国民の生命及びインフラストラクチャーや公共施設、産業などの財産を守り、速やかな救助、復旧によって被害を最小化することを主目的とする諸活動をいう。民防と略される。文民保護の機能もある(日本では国民保護に相当)。
戦争・核戦争・自然災害などの大規模な被害が生じうる緊急事態においては、軍隊や警察・消防だけの能力で規模の面から追随出来ない事態が起こりうる。そのため自己の防衛と、火災などの被害の最小化のための民間人による行動の必要性が生じる。この諸活動を民間防衛と呼ぶ。また平時における自然災害や人為的災害に対しても備えるものであり、防災、防犯、政治をも包括した概念である。有事に際しては中央政府の計画及び指導にもとづき、地方公共団体の組織の指導によって一般市民が主体となって避難、救援活動に従事するものである。
民間防衛は民間人による防衛の一手段であるが、個人の能力ではその活動に限界があるため、民間防衛組織(民防組織)を国民的に組織化する。個人、家族、職業集団などを構成単位としてその指揮系統が整備され、その上層部は市町村、地方、州、最終的には政府に繋がっていなければならない。民防組織は、その最高意思決定がアメリカ合衆国や旧ソ連などのように国防省によって行われている形態と、カナダやスイスのように一般的な行政省によって行われている形態がある。民防組織は、その組織体制においては計画指導機関、幹部教育機関、訓練機関、実働部隊が組織・編成されている。
第二次世界大戦前の民間防衛体制としては、空襲に備えた防空法(昭和12年法律第47号)に基づく空襲警報などの諸施策などがあった。民間防衛組織としては、警防団などが存在した。日本本土空襲が現実化すると、大規模な疎開が行われた。沖縄戦やソ連対日参戦による諸戦闘では民間人の事前疎開などが十分に実施できず、地上戦闘に巻き込まれる例が多く発生した。
戦後の日本においては国民保護の名で呼ばれる。2004年、有事法制の第二段として、武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律(国民保護法)をはじめとする関連法が成立し、さらに同日ジュネーヴ諸条約の追加議定書も採択を認可する決議がなされたことで、武力攻撃事態において自衛隊は在日米軍とともに侵略軍からの防除に努め、内閣総理大臣の総合調整権の下、地方自治体を中核とする警察・消防による国民の保護実務のあり方などが定められ、屋内退避等の手順を定めた国民保護計画が立案された。
国民保護法では国民の協力を求め消防団や水防団、防災協会や防犯協会、町内会や自治会をはじめとした自主防災組織(自主防犯組織)の活動を想定している。近年はこれらの組織を改編すべきだという意見も一部あるが、憲法や各種法令に触れる可能性もあり(日本国憲法第9条に基づき戦争を放棄しているので、戦争することを前提とした法規の制定は違憲立法であるとの解釈)、国民的同意も乏しいため実現の目処は立っていない。現行の国民保護法では、自主防災組織やボランティア団体の活動を想定しているが、これを民間防衛組織とみなすことはないと規定し、新たに民間防衛組織を創設しないことも規定している。
資源や食料を輸入に頼る日本にとって、国民の食生活の安定は民間防衛上、重要な課題である。農林水産省では、食糧法、国民生活安定緊急措置法、物価統制令を法的根拠とする「食料・農業・農村基本計画」(平成12年3月閣議決定)に基づくマニュアルを整備しており、有事・重要影響事態によって海外からの食料が輸入できなくなった場合、国として配給制度を実施したり、原野や休耕地等での耕作による食料の確保を行い、国民を保護する計画である[1]。また、国土交通省では、日本有事や大規模災害における資源等の輸送が、公共の秩序維持のために必要と認められる場合、カボタージュの下にある日本国籍の船舶について、海上運送法第26条を法的根拠とする航海命令を強制することができる(ただし、外国に国籍のある便宜置換船については航海命令に従う義務はない)
重武装中立政策をとるスイスでは1969年[2](チェコ事件の翌年)、当時の東西冷戦に伴う緊張の高まりを受け、スイス政府がタイトルそのままの冊子『民間防衛』を各家庭に260万部発行・無償で配布した歴史がある。この冊子の存在は、スイスの国防意識の高さを如実に表すエピソードの一つとして、日本などで有名である。発行元はスイス国民保護庁。
冊子は320ページと非常に重厚な内容であり、主として戦争の危機に際して必要な準備や心構えなどについて詳しく解説されている(一方で地震・噴火・風水害といった自然災害への備えに関する記述は皆無である)。食料品や燃料の配給統制の説明や食料の備蓄呼び掛けに始まり、民間の自衛・防災組織の構築、核兵器や化学兵器の使用を含めた敵国の攻撃によって想定される被害への対策や実際に攻撃された際の行動、敵国のプロパガンダやスパイに対する対応、万が一敵国に占領された場合のレジスタンス活動の心得まで、様々な危機とそれらへの対処が詳しく解説されている。
日本でもこの冊子は何度か邦訳されている。スイス本国で配布された直後の1970年(その後1983年に一度絶版になる)、阪神・淡路大震災後の1995年、そして極東における有事問題への関心が高まり出した2003年には新装版が、それぞれ原書房から発売され、2005年現在、日本国内で累計15万部以上が発行されている。
日本の福井県安全環境部危機対策・防災課が平成16年(2004年)に纏めたレポートは、スイスの現況を次のように伝えている[3]。
現在のスイス国内でこのマニュアルの存在を知る人は少ない。2018年1月12日の読売新聞の報道で、スイス連邦工科大学の研究者は、「マニュアルのことを日本人に質問されて初めて知った」「スイス人がこのマニュアルを熟知しているというのは誤解だ」「欧州の人が『日本に今も侍がいる』と思い込むようなものだ」と述べている。またスイス国防・民間防衛・スポーツ省のロレンツ・フリシュクネヒト報道官は「このマニュアルは69年に配布したきり、改定をされたこともない。無効なものだと考えている」と述べた。国道を有事に滑走路へ活用する計画も訓練も既に廃止されている。スイスの危機管理対策は自然災害に重きをおいており、それでもその名を受け継ぐ同省のフリシュクネヒトは、「民間防衛はなくなったのではなく、大きく変わった」と語っている[4]。
ハンドブックが配布された1969年はちょうど米ソデタントを迎えた時期でもあり、原子爆弾への備えを説く内容は当時の社会では「軍事的な稚拙さ」として笑いものになったという[5]。平和主義者や左翼活動家、労働組合、反核運動、知識人などを国家の「内敵」とみなす内容の本を政府が作成したことに対して抗議デモが起こり、またスイス作家協会のマックス・フリッシュ、フリードリヒ・デュレンマット、ペーター・ビクセルがフランス語版への翻訳を行った同会会長モーリツ・ツェルマッテンに対する抗議として辞任した[6]。
周囲を敵対国に囲まれているイスラエルでは『イスラエルの民間人に対する脅威とイスラエルの民間防衛措置』と題して敵国のミサイル攻撃に備えて伏せたり、遮蔽物に隠れて身を守る訓練を行って非常時に慌てないような防衛措置を普段からイスラエル軍と共に国民がしている。テルアビブの高速道路の運転手らは2014年7月9日や7月20日に即座のミサイル攻撃から避難するために警報システムのサイレンアラート時には車から降りて車を盾にするように子供を自身の下にして守るように身を低くしている。同日にイスラエルの道路で民間人に軍の指示に従って敵のミサイル攻撃に備えて身を低くする指導が行われている。他にもイスラエルではミサイル防衛システム「アイアンドーム」による迎撃ミサイルでの敵ミサイル撃墜の結果として生じる破片は、落下して依然として大きな被害をもたらす可能性があるので、死傷者の負担を最小限にするのに不可欠だとして定期的な民間人の公共安全のための民間防衛の指導・国内インフラの強化の公共工事の二つを防衛政策として重視している。さらに地下の密入国トンネルによる越境してきた敵への突発的な攻撃への対策について教えられている[7]。
ウクライナ問題をうけて2015年にリトアニアは潜在的な敵への直接の武力闘争だけでなく、他の抵抗方法も選択できるように民間防衛に関するパンフレットを発行した[8][9]。
第2次世界大戦では戦略爆撃などで民間人の被害も大きくなり、各国とも民間人を動員して救護活動を行うことが一般化した。核兵器の出現によって、使用された場合の被害が甚大となることが予想されるため、主要諸国では民間防衛に対する法令を制定し、平時から民間防衛のための対策を準備している。英国政府は第2次世界大戦終結後に従来の民間防衛体制に新形態の空襲対策を盛り込むための調査研究期間の確保のため現行だった民間防衛法の停止法を成立させて一時的に停止させた。1954年の新法には1945年の法律への補足として軍隊の構成員が民間防衛で指導をすることが義務付けられた。1986年には平時市民保護法が制定され、民間防衛に交付金で地方自治体は外国勢力の攻撃以外の緊急事態・災害などでも被害防止・救済のために自治体の資源を動員できるようになった。2004年にテロ・ミサイル攻撃・自然災害・伝染病など多様な緊急事態に対する包括的な民間防衛の枠組構築を目的とした民間緊急事態法が制定されている[10][11][12][13]。
2011年以降に生じたシリア内戦において、ホワイト・ヘルメット(ホワイトヘルメッツとも)と呼ばれる民間防衛組織が2014年に設立された。
大規模停電の恐れ
電磁パルス攻撃は、高度30~400キロの上空で核爆発を起こして行う。その際に生じたガンマ線が大気を構成する窒素や酸素などの分子に衝突。分子に含まれる電子がはじき飛ばされて雷のような巨大な電流が発生するなどした結果、強力な電波の一撃である電磁パルスが地上に襲いかかる。
電磁パルスは送電線を伝ってコンピューターなどの電子機器に侵入。その電圧は5万ボルトに達するため、機器はIC(集積回路)の機能停止で損壊し、同時に大規模な停電も発生すると予測されている。核爆発に伴う熱線や衝撃波は、地上には届かない。
影響範囲は爆発の高度や規模によるが、高度100キロで広島型原爆の3分の2に相当する10キロトン(TNT火薬換算)の場合、日本全土をほぼ覆う半径約1100キロにも達する。
1962年に米国が北太平洋上空で行った高高度核実験「スターフィッシュ・プライム」では、高度400キロの宇宙空間での核爆発で電磁パルスが発生。爆心から1400キロも離れた米ハワイ・ホノルルなどで停電が引き起こされ、その威力が実証された空から襲う“津波”
現代社会は電気なしでは成り立たない。電磁パルス攻撃によって大規模な停電が発生し、公共インフラを支える電子機器が損壊すれば、都市機能はまひする。
電話やインターネットなどの通信やガス、水道の供給が停止。飛行中の航空機が操縦不能になったり、電力を絶たれた原子力発電所が制御不能に陥ったりする恐れも指摘されている。
米国の専門家チームが今世紀に入ってまとめたシナリオでは、10キロトンの核爆弾がニューヨーク付近の上空135キロで爆発した場合、被害は首都ワシントンを含む米国東部の全域に及ぶ。
損壊した機器を修理する人員や物資が大幅に不足し復旧には数年を要し、経済被害は最悪で数百兆円に達する。電磁パルスは健康に直接影響しないとされるが、食糧不足や病気などで死傷者は数百万人に上ると推定している。
元陸上自衛隊化学学校長の鬼塚隆志氏は「電磁パルス攻撃は宇宙から襲う津波のようなものだ。被害を完全に防ぐことは難しくても、備えを固めるなどして減災に取り組む必要がある」と強調する「日本は無防備」
電磁パルス攻撃は地上への核攻撃と違い、ミサイルの弾頭部分を大気圏再突入時の高熱から守る技術は必要ない。小型の核弾頭を搭載したミサイルを発射し、目標上空で起爆するだけだ。
米国防総省の内部では、北朝鮮が既に核弾頭の小型化に成功したとの見方もある。成功が事実なら、弾道ミサイルや人工衛星を搭載したロケットが上空を通過するとみせかけ、日本の真上の宇宙空間で核爆発を起こすことも可能だ。日本の領土や領海に着弾する恐れがない場合、迎撃ミサイル発射のタイミングを逃す可能性は十分にある。
電磁パルス攻撃は米国やロシア、中国も能力を保有しているとされる。核爆発以外の方法でも可能だ。米露中のほか、北朝鮮や中国の脅威にさらされる韓国や台湾でも、インフラや軍などの防護対策が進んでいる。
これに対し日本は取り組みが遅れている。電子戦に関わる研究開発を担う防衛省の電子装備研究所は、電磁パルス攻撃を受けた場合に「(自衛隊の)指揮・統制機能が無力化される恐れ」があるとして、今秋にも防護技術の動向調査を始める。
だがその内容は攻撃の脅威に関する調査や、防護技術の実現に向けた課題の明確化など基礎的な検討にとどまる。
電磁パルスが防衛装備品に与える影響に詳しい企業関係者は「日本には、電磁パルス攻撃への備えがまともに存在しない。社会全体が無防備な現状は非常に危険だ」と警鐘を鳴らす。